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令和の大工 お給料のお話 〜元銀行員大工が実感した日本の大工が減る理由〜 後編

執筆者の写真: 青木 陽平青木 陽平


『なぜ大工が減るのか』


これに対する私なり答えは、『大工の報酬に若い大工を育てる分が含まれていない』ということです。




これは特に手間受け(下請けとして材料等は元請けからの支給で大工工事だけ)をする大工さんに言えると思いますが、



暑い寒い環境で、命の危険もある高所作業をし、他のすべての協力業者と連携しながら現場を進め、何年もかけて培ってきた力を発揮してもなお、もらえる賃金は1日2万円程度でガソリンや道具代の経費はそこから支払わなければなりません。

子供を育てる親が自分の食べる分だけでなく子供が食べる分も稼がなくてはいけないのと同様に、

大工の卵を育てる親方は若手大工が現場で自分の給料分の仕事をできるようになるまでに面倒を見れるだけの稼ぎをしなくてはなりません。



そのためにこれからの親方に求められることは、きちんとした技術があるのは前提のもと、元請けとなってお客様と直接契約をして仕事を受注し、大工工事代だけでなく工事全体を取り仕切り、きちんとした適切な報酬を得られる親方でないと若い大工を育てられません。



前回のお話でも触れた通り、以上のように若手大工を育てていくことは本当に大変です。

大工育成を諦めて既存の大工さんに外注して仕事をガンガン回していく方が間違いなく会社の利益にはなりやすいと思います。


ただ私たちがここで大工を育てていくことを諦めてしまうときっと地域の多くの方が困る未来が待っていると思います。


30年前の大工親子
30年前の大工親子


青樹工務店の理念でもある、『30年後に本当に良かったと思える家づくり』と同じで、これが『30年後に本当に良かったと思える選択』

だったとなるように今は歯を食いしばって踏ん張って前を向いて精進して参りたいと思います。






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